クローン病の重症度と治療法

日本消化器病学会:患者さんと家族のためのクローン病ガイドブック(日本消化器病学会)
(https://www.jsge.or.jp/theme/jsge2015/files/citizens/guidebook/03_cloning.pdf)(2019年8月7日アクセス)より引用改変

薬物療法としては、主に軽症の場合は一部のステロイドや炎症抑制薬が用いられ、炎症が強い場合には、炎症抑制作用が強いステロイドが用いられます。免疫調節薬(免疫を抑制するプリン拮抗薬など)、生物学的製剤である抗体製剤などが用いられることもあります。

  • 炎症抑制薬
    腸の炎症を抑える働きがあります。
  • ステロイド
    一部のステロイドは強力な炎症抑制作用を示す薬剤です。
  • 免疫調節薬
    クローン病には過剰な免疫反応が関係していると考えられています。この薬は免疫反応を抑制するものです。薬剤の濃度が安定するまで数ヵ月かかる場合がありますが、活動期の症状を寛解に導く効果と寛解を維持する効果、ステロイドの使用量を減らす効果があります。
  • 抗体製剤
    クローン病で過剰に増加する体内物質は、腸の炎症を引き起こす原因の1つと考えられています。これらの働きを抑え、炎症を軽減させる薬です。

食事からの刺激を減らして腸の炎症を鎮めつつ、栄養状態を改善していくために、栄養剤を投与する治療方法です。経腸栄養療法と完全静脈栄養療法があります。

  • 経腸栄養療法
    液体の栄養剤を口から服用するか、鼻からチューブを入れて投与します。消化の過程を必要としない消化態栄養剤・成分栄養剤と、消化の過程を必要とする半消化態栄養剤があります。
  • 完全静脈栄養療法
    重度の狭窄がある場合、広範囲な小腸病変が存在する場合、経腸栄養療法を行えない場合などに用いられます。太い静脈にカテーテルを留置して高濃度の栄養輸液を投与します。

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外科的治療

内科的治療では十分な効果が得られず、社会生活が困難なときには手術が必要となります。日本では、発症後5年で約30%、10年で約70%の患者さんが何らかの手術を受けています。クローン病は病変部を取り除いても再発しやすいため、できるだけ腸を残すような術式がとられます。

※難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(渡辺班):クローン病診療ガイドライン(http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/CD/crohn_cpgs_2011.pdf)(2019年8月7日アクセス)

血球成分吸着除去療法

血液を腕の静脈から体外に取り出し、特殊な筒(カラム)に血液を通過させることにより炎症を起こしている血液成分(主に血球成分)を吸着させて取り除き、また血液を戻す治療法が行われることもあります。

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難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木斑):クローン病の皆さんへ 知っておきたい治療に必要な基礎知識 第3版
(http://www.ibdjapan.org/patient/pdf/02.pdf)(2019年8月7日アクセス)より引用改変

内視鏡的バルーン拡張術

狭窄を起こした腸管まで内視鏡が到達する場合には、内視鏡を用いてバルーン(風船)で狭窄を広げることもあります。

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難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木斑):クローン病の皆さんへ 知っておきたい治療に必要な基礎知識 第3版
(http://www.ibdjapan.org/patient/pdf/02.pdf)(2019年8月7日アクセス)