第3話 カロリーは高い方がいい?

IBD患者さんの食事は、低脂肪・低刺激が基本だといわれていますが、
十分なエネルギーを摂取することも大切です。
脂肪を抑えて十分なエネルギーを摂る、
なんだか矛盾しているようにもみえますが…

登場人物

山寺ツトム(24歳)
クローン病歴2年
※厳密な食事制限なし
山寺ツトム(24歳)クローン病歴2年※厳密な食事制限なし
山寺ツトム(24歳)
クローン病歴2年
※厳密な食事制限なし
山寺マリ(28歳)ツトムの姉・看護師
山寺マリ(28歳)
ツトムの姉・看護師

物足りない低脂肪メニューを改善するために!

1

おなかにやさしい炭水化物の摂り方

主食には、米を原料としたご飯やおかゆ、もち、小麦を原料としたうどん・パスタ、パンなどがありますが、一番のおすすめは米です。
米は効率のよいエネルギー源であるだけでなく、さまざまな調理法が可能で、どんなおかずにも合う食品です。ただし、玄米や雑穀米などは食物繊維が多いため、狭窄のある方は注意が必要です。

2

米はおかゆがいい?

腸管の状態がよければ、必ずしもおかゆを食べる必要はありません。
ご飯(白米)とおかゆ(全がゆ)では、エネルギーはご飯の方が2倍以上高く、効率よく摂取できます。腸管への負担を和らげるため、よく噛んで食べるのがポイント。

3

米以外の炭水化物はよくないの?

パンについては、クローン病では、パン酵母が食事性抗原となる方が多いといわれているため、腹部症状、便の性状・回数などをよく観察してください。また、潰瘍性大腸炎の方でも、脂質の高いクロワッサンやブリオッシュではなく、フランスパンや食パンなどを選ぶのがおすすめです。
3食すべての主食が米では飽きてしまうため、体調と相談しながら、さまざまな炭水化物で食事を楽しめるとよいですね。

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おなかにやさしい炭水化物の摂り方

主食には、米を原料としたご飯やおかゆ、もち、小麦を原料としたうどん・パスタ、パンなどがありますが、一番のおすすめは米です。
米は効率のよいエネルギー源であるだけでなく、さまざまな調理法が可能で、どんなおかずにも合う食品です。ただし、玄米や雑穀米などは食物繊維が多いため、狭窄のある方は注意が必要です。

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米はおかゆがいい

腸管の状態がよければ、必ずしもおかゆを食べる必要はありません。
ご飯(白米)とおかゆ(全がゆ)では、エネルギーはご飯の方が2倍以上高く、効率よく摂取できます。腸管への負担を和らげるため、よく噛んで食べるのがポイント。

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米以外の炭水化物はよくないの?

パンについては、クローン病では、パン酵母が食事性抗原となる方が多いといわれているため、腹部症状、便の性状・回数などをよく観察してください。また、潰瘍性大腸炎の方でも、脂質の高いクロワッサンやブリオッシュではなく、フランスパンや食パンなどを選ぶのがおすすめです。
3食すべての主食が米では飽きてしまうため、体調と相談しながら、さまざまな炭水化物で食事を楽しめるとよいですね。

もっと詳しく!
コラム:低脂肪の食事にする理由

炎症から回復するためのエネルギー

IBDは若年で発症しやすいため1)、IBD患者さんは必要エネルギー量がもともと高いといわれています。そのうえ、熱や炎症により消耗しやすく、さらに、潰瘍を治すのにもエネルギーを必要とします。
十分なエネルギーを確保できないと、筋肉が分解されるため、徐々に体重も減っていきます。このような状態を防ぐためにも、十分なエネルギー量が必要になります。

クローン病では脂質1日30g以下を目標に

クローン病では、脂質の摂取量が増えれば増えるほど、再燃率が高まることが示されています3)。再燃を防ぐために、脂質の量は1日30g以下に制限します4)
肉や魚、大豆、卵、乳製品などのタンパク質を多く含む食品の中には、目に見えない脂質が含まれていることを説明する必要があります。これらを考慮すると、調理に使用できる油は1日5~10gとなります。

IBD患者さんの1日に必要なエネルギー量

1日に必要なエネルギー量は、理想体重(標準体重)に基づき算出されます2)

理想体重 身長(m)2×22
必要なエネルギー量 理想体重×約40kcal(寛解期の場合)

例えば、身長が170cmの場合は以下のようになります。

理想体重 1.7×1.7×22=63.6kg
必要なエネルギー量 63.6×40=約2,544kcal

なお、一般成人の必要エネルギー量は体重1kgあたり28~30kcalです。IBD患者さんでも、デスクワーク中心の場合や炎症がないときは、体重1kgあたり約35kcalでもよいでしょう。

IBDに最も適した主食は「米」

米やかゆは消化吸収に優れ、また、粒の炭水化物にはレジスタントスターチ(小腸までは消化されず、大腸に届くでんぷん)が多く含まれているので、腸内環境を改善し、便を健康時の状態に近づけてくれます。さらに、小腸の微絨毛や大腸粘膜のエネルギー源となる短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸など)を生成し、腸管病変の治癒を促す作用が期待されます3)
1日に必要なエネルギー量の60%程度を主食の炭水化物で摂るのが理想です2)。食欲がないときは、チャーハンやおにぎりなど、調理法を工夫してみましょう。

【参考】
1)日本消化器病学会編:炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2016; 南江堂: p4, 2016.
2)斎藤恵子:潰瘍性大腸炎・クローン病の人の食事; 女子栄養大学出版部: p21-22, 2008.
3)早川享志ほか:日本食物繊維研究会誌 1999; 3(2): 55-64.

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