※IBD(Inflammatory Bowel Disease):炎症性腸疾患。一般に潰瘍性大腸炎とクローン病のこと。

恋愛の悩み、みんなはどうしているの?

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専門医が回答

横山薫 先生

横山薫 先生

北里大学医学部 消化器内科学 講師

付き合っている人、パートナーには病気のことをいつ話した? なかなか聞けない恋愛事情について、先輩患者さんの経験談を聞きました。

告白は同居が決まってから女性30代 クローン病歴16年

現在のパートナーと一緒に住むと決まったときに、これは隠せないと思い、病気のことを全部話しました。びっくりされるかと思ったら「ふーん」と普通に聞いてくれました。受け入れてくれると思ったらうれしかったですね。隠さないですむし、言おうか言うまいかと考えなくていいので楽にもなりました。私が嫌がるので、普段は心配するそぶりは見せませんが、本当につらいときは理解を示してくれます。

彼から「支える」の一言女性30代 潰瘍性大腸炎歴8年

発症したときに付き合っていた彼からは、「病気があっても支えていく。病気になったから嫌いになることは絶対にないし、自分ができる限りのことをして支えていくから」って言ってもらいました。本当にうれしかったです。

気になる相手に思い切って告白男性40代 クローン病歴13年

仕事で何度か接客をしていた相手に告白しました。持病のある方で、いつも元気なさそうにしているのを見て、最初は一緒に話をして、笑ってくれればいいかな、という感じでしたが、何度も話をしているうちに、気になる存在に変わっていきました。自分も持病があるから気持ちが分かるんです。自分だったら助けてあげられるのかな、なんて思って。異動が決まって、会えなくなる前にと思って、手紙を書いて渡しました。

付き合いはじめからオープンに男性30代 潰瘍性大腸炎歴20年

付き合う相手には、病気のことはすぐに話します。もしかしたら、最終的に結婚、ということもあるかもしれないからです。結婚直前に「実はこういう病気なんだ」と言われたら、相手はびっくりどころか、話が白紙に戻ってしまうかもしれないので、ちゃんと話します。

義母には伝えず結婚女性30代 潰瘍性大腸炎歴8年

男性側の両親の反対で2度結婚をあきらめた後、今の夫と結婚しました。彼は「真正面からぶつかったら無理かもよ」と言って、病気のことは、彼のお母さんには言わない、お父さんだけに言うという行動をとりました。母親は、妊娠や生まれてくる子どものことを不安がるからという理由でした。お母さんには未だに言っていません。後ろめたい部分もないとはいえませんが、結果的に見て、自分たちの幸せや周りのことを思うと、ついてよかった嘘かなと思います。

義両親には結婚後に報告男性40代 潰瘍性大腸炎歴24年

結婚するとき、妻から「両親には病気の話はしないでほしい」と言われました。結婚したらこっちのもんだ、と思ったのでしょうか。結婚後、頃合いを見て妻が話したみたいです。後で言ったらごたごたするのでは、と思いましたが、特に問題なかったみたいです。

相手の親の反対で破談に……女性30代 潰瘍性大腸炎歴8年

7年間交際した彼からプロポーズを受けたのですが、彼のご両親に病気のことを伝えたら、猛反対。交際中はご両親とも仲良くしていたので打ち明けたのですが「生まれてくる子どもに何かあったらどうするの」と心配していました。彼は「このまま強引に結婚しよう」とまで言ってくれましたけど、結局破談に……。

恋愛に消極的に……男性40代 クローン病歴13年

発症した当初は将来への不安が大きくて、恋愛をする気になれませんでした。相手には、自分の生活に合わせてもらわなきゃいけないだろうし、そうなると申し訳ないなという気持ちが先に立ってしまって、積極的になれませんでした。

入退院の繰り返しで離婚女性30代 潰瘍性大腸炎歴8年

入退院を繰り返したのが原因で、結婚生活が終了しました。入院すると、相手を一人にしてしまいます。家にはいられないし、退院しても体調がすぐれず……。相手も、支えようという気持ちになってくれていたようですが、現実は想像以上に大変だったのだと思います。

専門医からのアドバイス

横山薫 先生 北里大学医学部 消化器内科学 講師

ご所属名・役職名は2022年7月13日時点のものです。

パートナーに病気のことを伝えるかどうかはケースバイケースでしょう。お付き合いの期間が長くなれば、体調が悪いときもあるでしょうし、食事療法をしている場合、制限している内容を話しておいたほうが安心です。可能な限り、パートナーにも病気について正しく理解してもらうことが望ましいですね。「自分からは伝えにくい」「うまく説明できない」という場合は、医師や看護師、栄養士などに相談できるところもありますので、一度聞いてみてはいかがでしょうか。

※病歴は症状の認識ではなく、医師の診断を受けてからの年数です。
※掲載しているコメントは個人の意見であり、すべての方に当てはまるわけではありません。

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