今日もがんばってます!私たちの働き方 今日もがんばってます!私たちの働き方 仕事 監修:北里大学医学部 消化器内科学 講師 横山薫 先生ご所属名・役職名は2022年7月13日時点のものです。 就職活動はどうすればいいの?治療と仕事の両立って可能なの?先輩患者さんは、企業や社会の中で、どんな働き方をしているのでしょうか。 面接段階で病気を伝える 男性40代潰瘍性大腸炎歴24年 就職活動の面接では、選考が進んだ段階で「月1回くらいのペースで通院している」という話をしました。入社した後で「病気だったのか」と見られるのが嫌だったので。一つの会社でしっかり仕事をしていくことを考えると、長くお付き合いする会社なので、早めに言っておこうという判断でした。会社の有休制度を使って通院できるという話も聞けて安心できました。 海外出張は準備を入念に 男性20代潰瘍性大腸炎歴5年 営業の仕事で海外出張に行くこともしばしば。もともと海外向けの仕事に興味があり、バリバリ働いてみたいと、就職したころから思っていました。海外に行くときは、胃腸薬や下痢止めを持参して、万が一を考えて、現地の病院も調べてから行きます。水や食べ物が大丈夫かも重要なポイントです。 手術を機に働き方を見直す 女性20代クローン病歴12年 仕事のストレスも重なり体調を崩して、緊急入院後、手術をすることに。この手術をきっかけに、勤め先を退職しました。こうなるまで自分を追い込んでしまった仕事に対する考えが変わったからです。「こんなに体を壊してまで働いても、私の仕事を代わりにする人はいる、でも私の代わりはいない」と思ったときに、体の悪いところを切ってリセットするとともに、仕事も1回リセットして再出発しようと考えました。 発症後も変わらず勤務 男性30代クローン病歴6年 病名が分かった段階で、会社にはすぐ報告しました。入院することになっても「そういう事情で入院しているのか」とすぐに分かってもらえるようになりました。仕事中はトイレが一番の問題ですが、それも自由に行けるし、病気になって仕事上変わったことは、ほとんどありません。 健康第一 男性30代クローン病歴3年 最近気に入っているフレーズが「健康第一、仕事は二の次」。仕事も人生の一部で全てじゃない。「仕事残して疲れ残すな」。この仕事を残して死んでも代わりにやる人がいると思って、体のことを考えて無理をしないことも大切だと思う。時間をどのように使うかは自分で決めることだから。 体への興味で薬学部に進学 女性10代潰瘍性大腸炎歴4年 将来の進路を考えたとき、自分の飲んでいる薬や体のことをもっと知りたいと思って、薬学部への進学を決めました。将来病状が悪化して、仕事を休まなくてはならない状況になっても、資格があれば復職がしやすいと思ったのも、理由の1つです。 勤務先からの配慮に感謝 女性30代潰瘍性大腸炎歴8年 転職するときに、上司にも職場の人にも病気のことは伝えました。毎日同じ時間にご飯が食べられるようにとシフトを組んでくれたり、体にいい食べ物を振る舞ってくれる人がいたりして、伝えておいて良かったなと思いました。 デスクに成分栄養剤常備 男性30代クローン病歴6年 会社のデスクの引き出しには、成分栄養剤とボトル、成分栄養剤を溶かす水を常備しています。肛門の合併症がひどいので、お尻が痛いとき用に、中央に穴が開いたドーナツ型のクッションも愛用しています。 通勤ルートのトイレを確認 男性40代潰瘍性大腸炎歴24年 新入社員のころは、通勤途中で電車の乗り換えをするたびにトイレに行っていました。そうした経験を踏まえて、通勤ルートのトイレは必ず事前にチェック。出かけるときは早めに出発するよう心がけています。 会社に伝えず就職 女性30代クローン病歴16年 就職をするときは、病気のことは会社に伝えませんでした。キャリアアップしていきたいと思っていたので、足を引っ張る材料を出したくなかったというのが本音です。「病気なんでしょう」「無理しないほうがいいんじゃないの」と気遣われるほうが、自分にとっては嫌だったんです。 会議中にトイレに駆け込む 男性20代潰瘍性大腸炎歴5年 営業会議での発表中に下痢になり、あわててトイレに。出席していた役員に「一体どうしたんだ」という目で見られて、大変気まずい思いをしました。あとから「お客さんのところでもこんなことをやっているんじゃないか」と言っていたと上司から聞かされ、体調管理を徹底しようと再認識しました。 トイレの回数の多さで… 男性30代潰瘍性大腸炎歴20年 明らかにトイレの回数が多いので、会社に隠すのは大変。「トイレによく行くね」と言われたこともありますが、「体質です」と言ってかわしています。会議が長時間連続したときも、こっそり抜けてこっそり帰ってきます。 専門医からのアドバイス 北里大学医学部 消化器内科学 講師 横山薫 先生ご所属名・役職名は2022年7月13日時点のものです。 就職活動の際に病気のことを伝えたほうが良いのかどうかは、職場毎に状況が異なり、答えがないのが実情です。フレックス制の導入など、勤務日や時間の融通がきく職場でしたら、医療機関への通院もしやすくなります。職場環境や制度などの情報収集をしておくのも良いですね。働いている人は、突然の体調不良に備えて、普段から周囲の人たちと仕事内容の共有をしておくことも大切です。 ※病歴は症状の認識ではなく、医師の診断を受けてからの年数です。※掲載しているコメントは個人の意見であり、すべての方に当てはまるわけではありません。 関連記事 仕事 長く続けられる環境で働こう IBD患者さんの大きな課題の1つである「就労問題」について、長年IBD患者さんの就労支援に取り組んできた熊本IBD会長の中山泰男さんにご寄稿いただきました。 仕事 復帰した日、応援の声に涙が 潰瘍性大腸炎の診断を受け、入院やリハビリの日々を支えてくれたものは、何だったのか。復帰を遂げたプロ野球選手・安達了一さんに現在の気持ちをお聞きしました。 あなたの「したい!」を先生に相談する際に活用ください 相談サポートカード
面接段階で病気を伝える
潰瘍性大腸炎
歴24年海外出張は準備を入念に
潰瘍性大腸炎
歴5年手術を機に働き方を見直す
クローン病
歴12年発症後も変わらず勤務
クローン病
歴6年健康第一
クローン病
歴3年体への興味で薬学部に進学
潰瘍性大腸炎
歴4年勤務先からの配慮に感謝
潰瘍性大腸炎
歴8年デスクに成分栄養剤常備
クローン病
歴6年通勤ルートのトイレを確認
潰瘍性大腸炎
歴24年会社に伝えず就職
クローン病
歴16年会議中にトイレに駆け込む
潰瘍性大腸炎
歴5年トイレの回数の多さで…
潰瘍性大腸炎
歴20年専門医からのアドバイス
ご所属名・役職名は2022年7月13日時点のものです。
※病歴は症状の認識ではなく、医師の診断を受けてからの年数です。
※掲載しているコメントは個人の意見であり、すべての方に当てはまるわけではありません。